ママが帰ってくるまであと1日。
だが、その明日1日は、私がいないため、祖父母がセナを預かってくれる。
ありがたい。
4日あるが、自由に遊べるのは3日間ということになる。
もう日が暮れてしまったので、家の中で最後の自由を満喫する。
こんなことをやったらママに怒られるだろうなというものを最後にやらせてみる。
チョコアイスを、自由に食べさせる。
最初はペロペロ、こじんまりと。
豪快さがない...
チョコだらけにすると、叱られてしまうので、自然と身についてしまっているようだ。
もっと自由に食べろ!
そうだ、その調子だ!
お前らしく食べるんだ。
顔がチョコだらけでもいい、服にチョコがついてもいい。
そんなことでビクビクするような男はダメだ。
服についたら、俺がママにバレないように洗ってやる...
おっと、そうじゃない!
そのまま置いといてやる!
...
いやいや、やっぱりやめておこう...
服だけは汚すな...
絶対に汚すな。
顔は拭けば落ちるから、それでいい。
さあ、次は最後の一仕事。
こんなことをやってみよう!
いい表情だ!
2人でしばらく遊ぶ。
たわいもないことで遊ぶ。
もうこんなことしか残ってない。
これ以外、何も思いつかない。
自由になれば、あれもやりたい、これもやりたいと欲望が出るが、いざその時になると何をしていいのかわからない。
人生、万事そんなものなのかもしれない。
ふと、セナがサングラスを外した。
私も、つられてサングラスを置く。
「ママがいないと寂しいね...」
「パパ、ママを思い出してごらん...」
「僕、ママのことが好きなんだ...」
急に身体に重みが出てきた。
一気に、疲れが押し寄せてくるのを、必死に俺はこらえた。
エピソード2 出演者
セナ(西内星七)
パパ(西内洋行)
ミニー(西内ミニー)
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